富山フーズプロジェクト「くわの葉茶」
八尾を育ててくれた
桑の文化を農福連携で守りたい。
地域の資源を収益につなげる。
選んだのは八尾を育てた桑の葉。
江戸時代、養蚕産業で栄えた越中八尾。三○○年以上前から続く「おわら風の盆」は、全国から二〇万人を超える見物客が訪れる一大イベント。ここ八尾は、当時の文化と街並みが残る、富山が誇る歴史の継承地です。
社会福祉法人フォーレスト八尾会は「地域と協働し、地域を創造する」を理念に活動する福祉事業所。支援員として働く杉山久美子さんは、文化や地域資源を収益事業として継承していくことに限界を感じていたと言います。
「八尾の魅力や自然栽培などをアピールしながら八尾の桑としてブランド化したいのですが、正直、利用者の工賃、事業所への収益にはつながっていないのが現状です」と杉山さんは言います。
せっかく桑を収穫したのに、どうして良いのか分からない。そんな時に、公益財団法人ヤマト福祉財団が主催する「農福連携実践塾」でジャパンフーズプロジェクトに出会います。
ブランディングとは、地域の連携。
福祉事業所が地域の環を創る。
「当初、私たちは、桑茶のパッケージデザインのみを相談するつもりだったんです。でもジャパンフーズプロジェクトの川田さんが、パッケージのデザインよりも、桑を通じた地域プロジェクトとして盛り上げようと先導してくれたんです。実際、桑の商品開発にはビブグルマン(ミシュランガイドの格付けのひとつ)を獲ったことのあるシェフをつないでくれました。富山県で最大級のスーパー『アルビス』や、知る人ぞ知る鮮魚の卸店『黒崎屋』が販売の協力を。J3に所属するサッカーチームの『カターレ富山』や老舗料理店も、加わりました。そこで初めて、地域を巻き込んで、文化を発信していくことの面白さに気づいたんです」。
商品を売ることは、デザインなどの見せ方を変えるのではなく、地域の仲間を増やして、まずは地域でブランディングすることが大切。桑を地域内で循環させることが重要だったのだと杉山さんは言います。
今夏には、富山ジャパンフーズプロジェクトとして「八尾のくわ茶」を発売。八尾に暮らす人々の思いとつながりで生まれた一杯は、繭のような柔らかで豊かな味が楽しめます。
富山フーズ
プロジェクトパートナー
TEL:076-454-2117