福島フーズプロジェクト「マスクスプレー」

終わらない風評被害。
ニューノーマルな商品で
未来をひらく。


時代に合わせた商品づくり。
食品から日用品への転換。

福島県授産事業振興会の渡部栄昭さんは「10年経って風評被害は少なくなったように見えるかもしれません。でも、多くの消費者は、無意識に近い感覚で、福島の生産品を買うよりも他の県のものを選んで購入している。残念ながら、多くの農家、農福連携事業所の売り上げは震災前に戻っていません」と、厳しい実情を話します。
風評被害の根は深く、10年という区切りでどうなる問題でもない。とは言えこのまま風評被害を受け入れることはできません。

 

だからこそ、必要とされるもの、今求められているものを作りたい。そんな思いのもと、あたご共同作業所は動きます。南会津の美しい自然に囲まれたあたご共同作業所。そこで生産しているのは、南会津の新たな地域資源として注目されているハッカ。そしてそのハッカを使った「マスクスプレー」です。
この商品には三つの狙いがあります。一つ目は、福島県では珍しいハッカの栽培を地域資源とすること。二つ目は、社会的に需要がある商品を開発し、強力な収入源にすること。三つ目は、食品だけではなく、日用品の六次化を実現することです。


南会津で取れたハッカの清々し香り。
貴重な100%天然の精油です。

渡部さんを通じてジャパンフーズプロジェクトに参加したあたご共同作業所の馬場康徳さんは「ハッカは無農薬でもよく育ち、南会津の環境に合っているようです。試行錯誤でしたが、昨年は年間1トン程度の収穫がありました。現在は四種類のマスクスプレーを販売。すべてのマスクスプレーにハッカ精油を使い、それに天然のアロマオイルをブレンド。100%天然精油です。また、通常の除菌用消毒液と同じエタノール濃度ですので、空間やテーブルなどの除菌にも使えます。まだ発売して間もないですが、おかげさまでたいへん好評をいただいております」と、声を弾ませます。
コロナ禍を勝機に変えた「福島フーズプロジェクト」の新しい商品。食品だけにこだわらない加工品の開発やニューノーマルに合わせた企画開発は、農福連携の事業所にとって大きな可能性になるはずです。

 

福島が抱える風評被害という終わりなき戦い。負けてなんていられない。渡部さんと馬場さんは、ここから、風評被害を凌駕する福島の特産品をつくり出す。

福島フーズ
プロジェクトパートナー

特定非営利活動法人あたご 〒967-0005 福島県南会津郡南会津町中荒井字西原47番地
TEL:0241-62-6211